アイドルとしてデビュー！？する話

プロジェクト・ダーズンローズ

アイドルとしてデビュー！？する話

「僕思ったんだよね。」

ボソ、とジャックが何かを口にする。

「諸君らは旅が終わってもアイドルとしてもやっていけるんじゃないかなって。旅で鍛えられて運動神経はそれなりに上がっているし、なんてったって顔立ちも整っているからね。」

そう言いながら仲間達数人の顔をやたらぺたぺたと触ってくる。

何だ、今度は何を企んでいるんだ？

疑いの視線をジャックに向けていると、ジャックは懐から1枚の紙を取り出しこちらに渡してきた。

…なんだろう、政府の広報か何かだろうか？それともお小遣い稼ぎの依頼か何か？

渡してきた紙を渋々受け取り、目を通しているとアイドルと大きく書かれている見出しが目に入ってきた…アイドル…アイドル！？

「だから僕は諸君をアイドルとしてプロデュースしようと思ってさ！近々ジオンモナンの広場で人気NO.1のトップアイドルグループを決めるコンテストがあるようなんだ。僕やニュロ、兄さんは君達をプロデュースするプロデューサー側で応募してあるよ。あ、逃げようとしても諸君の名前でもう応募したから諸君に拒否権はないし逃がすつもりはないよ。」

…自分達に拒否権はないらしく、強制的に参加させるつもりらしい。

仮に逃げられても相手は何をするか分からないからな…大人しく参加するべきなのだろうか。

「コンテストのルールとして1グループ4人までらしいから、グループのメンバーはこっちでくじ引きして決めておいたよ！ちなみに僕も誰が誰のグループのメンバーなのかはまだ知らないんだ。今日のお楽しみにしておこうと思ってね。」

なんと、12人全員1グループで参加するのかと思ったら4人1組となってしまい場合によっては仲間同士で競う事になるらしい。

「まぁ、仲間同士で血だらけになるまで争えとは言わないけど模擬戦とは違った形で実力で戦えるいい機会なんじゃないかなと思うんだ。諸君に期待するよ。ちなみに優勝チームには僕から後日ちょっとしたご褒美をあげるよ。やらない手はないよね？」

ご褒美も気になりますが、仲間同士で戦う事になるとは…。

渋々ではありますが彼に従いトップアイドルグループとしてデビュー(?!)する為、グループに分かれてレッスンを始めるのでした。

「さて諸君！コンテストはいかがだったかな？楽しかったかい？」

大規模な会場で思いっきり歌って踊り観客を賑わせるこのコンテストは中々楽しめた気がする。

今年のコンテストは自分達のパフォーマンスを絶賛した有名人達がSNSで大々的に拡散され、ニュースに取り上げられる程とても大きなコンテストとなった。

…まさか自分達ダーズンローズのチームが上位を独占するとは思っても見なかったが。

「さて！僕からのご褒美の件なんだけど…今回優勝したニュロがプロデュースしたチームをレコーディング会社に売り出してみたら社長がコンテストを特集したニュースを見ていてくれたようでね！二つ返事で了承してくれたよ！いやぁ、ありがたいね！」